便秘の予防・解消におすすめのヨーグルトと食べ方
ヨーグルトは便秘の予防や解消、美肌作りなどをサポートする食品として注目されています。便秘に特に効果的に作用するヨーグルトはあるのでしょうか。ヨーグルトの種類とおすすめの食べ方についてご紹介します。
便秘解消に効果的とされているヨーグルトですが、その効果が特に高いヨーグルトというのは存在するのでしょうか。便秘の解消につながるヨーグルトの選び方と、効果的な食べ方をご紹介します。
便秘解消にヨーグルトが効果的なのはなぜ?
便秘の解消効果に優れたヨーグルトについて見ていく前に、まずはヨーグルトがスムーズなお通じにどのように作用するのかを知っておきましょう。
ヨーグルトが便秘解消に効果的とされる理由
人の腸内には、およそ100種類もの腸内細菌が生息しています。これらは、その働きにより善玉菌、悪玉菌、中間菌(善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢かによって働きが変わる菌)に分かれます。理想的な腸内細菌バランスは、悪玉菌より善玉菌が優勢な状態とされています。しかし、偏った食事や睡眠不足、ストレスなどが原因となり悪玉菌が増えると、このバランスが崩れ、便秘をはじめとしたさまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。
ヨーグルトの中に含まれる乳酸菌やビフィズス菌が作りだす有機酸には、腸内で悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌のバランスを整えたり、腸のぜん動運動を活発にする効果があります。このような働きを持つことが、ヨーグルトは便秘解消に効果的といわれる理由です。
便秘の解消に効果的なヨーグルトの種類
では、便秘を解消するにはどのようなヨーグルトが効果的なのでしょうか。
スーパーやコンビニに並んでいるヨーグルトにはさまざまな種類がありますが、これは含まれる乳酸菌やビフィズス菌の種類とも言えます。前述のとおり、どのような乳酸菌・ビフィズス菌であれ、ある程度の整腸作用は見込めます。ただ、中には生きて腸まで届くなど、その強さが特徴となる菌もあります。便秘の解消効果を高める目的で選ぶなら、このような特徴的な菌を含むものを選んでみるというのもひとつの方法です。それでは、高い整腸作用が見込める代表的な乳酸菌・ビフィズス菌をご紹介します。
ビフィズス菌 BB536(Bifidobacterium longum:ビフィドバクテリウム・ロンガム)
便秘気味の人がこの菌を含む食品をたべると、腸内の有害な物質が減少して便秘が解消されたり、下痢気味の人は排便回数が減ったという結果が報告されています。[1] また、脂質が中心の生活をすると腸内の悪玉菌が増加する傾向にあるといわれていますが、この菌を含む食品を継続的に摂ることで、それを抑制する効果も期待できるといわれています。
乳酸菌シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)
代田稔博士が発見し、強化培養したことでその名がつけられた乳酸菌です。乳酸菌は胃酸で死滅してしまうものも多いですが、乳酸菌シロタ株は強化培養されたことで胃液や胆汁などの強い消化液にも耐えられ、生きたまま腸内に達することが大きな特徴となっています。これにより、腸内環境を整えるより高い効果が期待できるといわれます。
ガセリ菌(ラクトバチルス・ガセリ)
生きたまま腸に届く乳酸菌として、世界で始めて証明された乳酸菌です。健康な日本人の腸に多く生息していることで知られ、腸に長く定着することがわかっています。
このように、腸に生きたまま到達することで、より高いプロバイオティクス効果が期待できる乳酸菌も多く発見され、その効果が研究されています。ただし、乳酸菌の力が強いからといって、100%効果があるとは言い切れません。それは、腸内細菌の構成は人によってさまざまなので、体に合う善玉菌の種類も人によって変わってくるためです。どんなによい働きを持つ乳酸菌やビフィズス菌であっても、自分の腸に合っていなければ高い効果は見込めないことを覚えておきましょう。
自分に合う菌を探すには、一定の製品を選び、2週間ほど試してみてください。効果が実感できなかった場合は、一定期間を置いて菌の種類を変えてみることをおすすめします。紹介した乳酸菌やビフィズス菌は、選ぶ際のひとつのポイントととらえていただければと思います。
最近は、ドリンクタイプで乳酸菌やビフィズス菌を摂取できるヨーグルトも多数販売されています。ドリンクタイプのヨーグルトは、ヨーグルトの組織を細かく砕き液状にしたもので、普通のヨーグルトと含まれる乳酸菌・ビフィズス菌の量や働きに違いはありません。普通のヨーグルト同様の働きが期待でき、かつ手軽という点でおすすめです。
便秘解消効果を高めるヨーグルトの食べ方
ヨーグルトは、その種類だけでなく食べ方によっても便秘の解消効果を高めることが期待できます。効率のいい食べ方をご紹介しましょう。
食後に食べる
乳酸菌やビフィズス菌には、胃酸の影響を強く受けるものも多いです。できるだけ生きたまま腸に届けるためにも、胃酸が薄まるタイミングで摂取しましょう。食後にデザートとして食べると、胃酸の影響を受けにくいといわれています。
適量を続けて食べる
乳酸菌やビフィズス菌は、一度摂取したからと言って腸内に永久にとどまってくれるわけではありません。ヨーグルトやサプリメントを利用して、継続的に摂取することが大切です。
ヨーグルトにプラス!便秘解消効果を高める食べ物の組み合わせ
便秘を解消するには、乳酸菌やビフィズス菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品を積極的に食べることも重要です。ヨーグルトなどで外から善玉菌を補うとともに、もともと腸内に生息する善玉菌の増殖をサポートする栄養素を摂取し、相乗効果を期待しましょう。それでは、ヨーグルトとのおすすめの組み合わせや食べ方をご紹介します。
きなこを加える
オリゴ糖を含む食べ物で、ヨーグルトとの組み合わせでおすすめなのは、きなこです。ヨーグルトの上にきな粉をまぶすだけで簡単に摂取できるので、ぜひ試してみてください。
フルーツヨーグルトを作る
バナナやりんごなどの果物には、食物繊維が豊富に含まれています。また、グラノーラなどにも含まれるので、このようなものを活用してヨーグルトを中心とした朝食を作ってもよいでしょう。ヨーグルトを飽きずに食べられるよう、さまざまなバリエーションを試してみてください。
まとめ
便秘への効果が100%期待できるヨーグルトはありませんが、自分の体に合った乳酸菌を探せれば、高いサポート効果が見込めるでしょう。探す際は、腸に長く定着できる強い菌を意識的に選んでみましょう。また、食べ方も大切です。善玉菌のエサとなる栄養素を一緒に摂ることで、より効率的に腸を整えましょう。便秘を解消するうえでもっとも大切なのは、日ごろの習慣です。ヨーグルトだけに頼らずに、バランスのよい食生活と適度な運動も心がけましょう。
参考文献
- [1]「ビフィズス菌BB536を含むヨーグルトの少量での整腸作用」ビフィズス菌研究所 http://bb536.jp/morinagamilk/
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