便秘・下痢
2017年12月06日更新 2017年12月07日公開

カスピ海ヨーグルトの便秘改善効果

最近耳にすることが多くなったカスピ海ヨーグルトですが、どのような特徴を持つもので、普通のヨーグルトとは何が違うのでしょうか。カスピ海ヨーグルトの特徴と効果、他のヨーグルトとの違いや家庭での作り方をご紹介します。

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さまざまな場所で目にすることも多くなったカスピ海ヨーグルト。名前は知っているけれど、具体的にどのようなヨーグルトかは知らないという方も多いのではないでしょうか。カスピ海ヨーグルトの特徴と健康効果、普通のヨーグルトとの違いについて説明します。家庭での簡単な作り方も紹介しているので、そちらもチェックしてください。

カスピ海ヨーグルトの特徴

カスピ海ヨーグルトは、カスピ海と黒海に囲まれたコーカサス地方のジョージア(旧グルジア)で、古くから習慣的に食べられてきたヨーグルトです。独特の粘りがあり、まろやかで酸味の少ない味が特徴です。この地域は世界屈指の長寿地域であることから、各家庭で長く食べ継がれているヨーグルトに長寿の秘訣があるのではないかと考えられ、1986年に日本に持ち込まれ、以降研究が進められています。現在ではスーパーマーケットやコンビニでも市販されるようになり、手軽に購入できます。

他のヨーグルトとの違い

ヨーグルトは、牛乳または乳製品を原材料とした、乳酸菌による発酵食品です。乳酸菌が牛乳の中の乳糖を分解して乳酸をつくる「乳酸発酵」によってできます。カスピ海ヨーグルトは他のヨーグルトと、発酵する乳酸菌の種類が異なります。

カスピ海ヨーグルトは「クレモリス菌FC株」という乳酸菌によって作られています。このクレモリス菌FC株は、牛乳の乳糖を分解して発酵させる能力が強く、また、20~30℃(ちょうど室温と同じくらいの常温)でもっともよく増殖するという特徴を持ちます。また、クレモリス菌FC株は、乳糖やブドウ糖から乳酸をつくると同時に、粘り成分EPSを合成して菌体外に放出します。これが、カスピ海ヨーグルトに独特の粘りをもたらしていると考えられています。

カスピ海ヨーグルトの効果

カスピ海ヨーグルトに含まれるクレモリス菌FC株と、それにより作られる粘り成分EPSが、腸内環境の改善やその他のさまざまな健康効果をもたらすと考えられています。主に期待される効果を見ていきましょう。

便秘改善

カスピ海ヨーグルトに含まれる乳酸菌のクレモリス菌FC株は、生きて大腸まで届くことが明らかになったプロバイオティクスであり、腸内の善玉菌の増殖を助けます。乳酸菌などの善玉菌は、腸内でヨーグルトの乳糖を発酵させ、乳酸や酢酸などの酸をつくります。腸内が酸性になることで悪玉菌のすみにくい環境になり、善玉菌は活性化されて理想的な腸内環境につながります。さらに、クレモリス菌FC株がつくる粘り成分EPSは胃や腸で吸収されにくいので、食物繊維として働く効果もあります。食物繊維は腸内の善玉菌のエサになることから、腸内環境を整えてお通じをスムーズにする効果が期待されます。

実際に、女子大生75名を対象に行われた実験で、クレモリス菌FC株を含むカスピ海ヨーグルトを1日200gずつ2か月間摂取したとき、排便日数、排便回数、排便量が改善されたという結果が出ています。[1]また、成人女性を対象とした別の実験でも、100gずつの摂取を2週間続けたところ、やはり改善効果がはっきり現れたとされています。[2]

このことから、カスピ海ヨーグルトには高い整腸作用による便秘改善効果が期待できると考えられています。

免疫細胞の活性化

クレモリス菌FC株や粘り成分EPSには、免疫細胞をサポートする作用があることもわかっています。アレルギーや感染症など、さまざまな病気の予防が期待され、現在も研究が進められています。[3][4]

風邪やインフルエンザによる症状の軽減

カスピ海ヨーグルトを食べていると、発熱や喉(のど)の痛みなどの風邪の諸症状が軽くなることも実験により明らかになっています。[5]インフルエンザにおいても、予防接種の効果を高める効果が期待できるといわれています。[6]これは、カスピ海ヨーグルトによって腸内環境が改善され、腸内に増えた善玉菌やそれによって合成された酸が病原体の活動や繁殖を抑えるためと考えられています。また、免疫細胞を活性化する働きとの関連も示唆されています。

この他、食後血糖値の上昇抑制や、血中の中性脂肪減少と善玉コレステロール増加、アトピー性皮膚炎の緩和なども、動物実験により認められており、引き続き研究が進められています。[6]

カスピ海ヨーグルトの作り方

常温で発酵させることができるカスピ海ヨーグルトは、家庭でも手軽に作ることができます。ただし、雑菌が混入してしまうと失敗するので、器具は熱湯消毒し、清潔な場所で作ることがポイントです。

用意するもの:牛乳 500ml/粉末種菌 3g(1包)/熱湯消毒した蓋付き容器/熱湯消毒したスプーン

  1. 熱湯消毒した容器に用意した牛乳の半分(250ml)と粉末種菌3gを入れ、熱湯消毒したスプーンでよく混ぜる。
  2. 残り半分の牛乳を加えてさらに混ぜ、蓋をして常温(適温20~30℃)で発酵させる。
  3. 牛乳が固まれば完成。

おおよその発酵時間は、24~72時間といわれています。完成したら、熱湯消毒したスプーンでよくかき混ぜ、冷蔵庫で保管しましょう。作り継ぐ場合は、できたカスピ海ヨーグルトと牛乳を1:10の割合で混ぜ、同様に発酵させます。

ヨーグルトの中にダマができる、茶色に変色する、強い嫌な臭いがする、異常に酸味が強いと感じる場合は、雑菌が混入している可能性があります。食べずに捨てましょう。また、長時間置くと表面にクリーム色の膜ができることがありますが、これはカスピ海ヨーグルトに含まれる菌の活動によるものなので害はありません。

雑菌の混入さえ防げば何度も作り継ぐことのできるカスピ海ヨーグルトですが、1~2か月で新しい粉末から作り直すことをおすすめします(メーカー推奨)。また、市販のカスピ海ヨーグルトを種菌として用いると、菌が弱って上手く発酵しない可能性があるので、おすすめはできません。種菌は、主に百貨店やネットで入手できます。

まとめ

さまざまな健康効果が期待できるカスピ海ヨーグルト。特に、便秘の改善効果は人を対象としたいくつかの実験で立証されており、高い効果が期待できます。ただし、カスピ海ヨーグルトはたくさんの良質な食品のうちの1つであって、それだけを食べ続けていれば健康になれるというわけではありません。バランスのよい食事の中にとり入れるようにしましょう。家庭で経済的に作り増やすこともできるので、ぜひ毎日の食事にとり入れてみてください。

参考文献

  1. [1]Lactococcus lactissubsp. cremoris FC株[クレモリスFC株]含有発酵乳の摂取による便秘改善の検討(2008) http://www.caspikai.net/caspikai/research/pdf/0142.pdf
  2. [2]便秘傾向の成人女性における食生活および多糖産生乳酸菌を用いた牛乳発酵物の摂取が便通に与える影響(2013)
  3. [3]Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株の免疫力増強作用 (2013年) http://www.caspikai.net/caspikai/research/pdf/20131211.pdf
  4. [4]Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株[クレモリスFC株]および菌体外多糖の免疫調節作用(2008) http://www.caspikai.net/caspikai/research/pdf/0030.pdf
  5. [5]「カスピ海ヨーグルト」摂取と風邪症候群の関連性調査(2010)   http://www.caspikai.net/caspikai/research/pdf/0130.pdf
  6. [6]「カスピ海ヨーグルト」研究会 http://www.caspikai.net/caspikai/index.html

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