感染症
2017年12月06日更新 2017年12月07日公開

胃腸にくる風邪をヨーグルトで予防する方法

ウイルス性の胃腸炎にかかると、吐き気や下痢などのつらい症状をともないます。予防の基本は手洗い・うがいですが、予防効果が期待できる食べ物もあるといわれます。胃腸炎をともなう風邪の食事での予防法と、注意点について説明します。

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胃腸にくる風邪は、腸内環境を整えることが予防につながるといわれています。具体的に、予防に効果的な食品にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

胃腸にくる風邪を食べ物で予防する方法

私たちの腸内には、体にプラスの働きをもたらす善玉菌と、マイナスに働く悪玉菌、どちらが優勢かによって働きが変わる中間菌が存在しています。理想的な腸は、善玉菌が優勢になり、腸内を酸性にすることで悪玉菌の増殖を抑えている状態とされます。

腸内環境が整うと、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう:内容物を移動させる腸の収縮運動)が活発になることで排便が促されます。便が長く腸内にたまると腐敗産物が発生し、体にさまざまなトラブルを引き起こすため、スムーズなお通じは健康の重要な条件となります。

また、腸管には体内で働く免疫細胞のおよそ6~7割が集っています。そのため、食べ物を消化吸収する腸の働きと免疫の働きは、表裏一体の関係にあると言っても過言ではありません。風邪などのウイルスが腸管から体内に侵入しないよう守るのも、腸管免疫の役割です。このように、免疫力をつけて感染症から体を守るうえでも、腸内環境を整えることは重要です。つまり、整腸作用が期待できる栄養素を意識的に摂れば、胃腸にくる風邪などの感染症の予防にもつながると考えられます。

それでは、整腸作用が期待できる代表的な食べ物をご紹介しましょう。

ヨーグルト

腸内の善玉菌・悪玉菌・中間菌が叢(くさむら)のように群がって腸内で形成する細菌の集合体は、その見た目がお花畑に似ていることから「腸内フローラ」と呼ばれています。前述のとおり、私たちが健康でいるためには、腸内フローラのバランスが非常に重要です。ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌は、善玉菌を増やして腸内バランスを整える働きをします。

また、乳酸菌を継続的に摂取したところ、ロタウイルス感染症においては下痢の期間が短くなったり、便中のウイルス検出率が低下したことが示されています。[1]このように、特定のウイルスにおいては、その増殖や活性を抑える効果も期待されています。

乳酸菌やビフィズス菌は、毎日摂取することで腸内を善玉菌優勢の状態に保つサポートとなります。毎日習慣的にとり入れ、腸内フローラのバランスを整えてウイルスに対抗できる体づくりを目指しましょう。

納豆や味噌などの発酵食品

日本の伝統的な食材の中にも、腸内環境を整える効果が期待できるものがあります。その代表格が、納豆や味噌です。いずれもヨーグルトと同じ発酵食品ですが、発酵段階で乳酸菌を増殖させているため、善玉菌を増やして安定させる働きがあるといわれています。

納豆や味噌を食べる際は、オリゴ糖や水溶性食物繊維を一緒に食べることをおすすめします。これらには、もともと腸内にいる善玉菌を増やし、活性化させる効果が期待できます。もちろん、ヨーグルトと一緒に食べてもいいですが、食べ合わせが難しい野菜類や海藻類は、納豆や味噌と一緒の方が食べやすいでしょう。

オリゴ糖を多く含む食品で代表的なものは、玉ねぎ・ごぼう・アスパラガス・バナナなどです。水溶性食物繊維を多く含むものには、果物類や海藻、大根・キャベツ・こんにゃくなどがあります。

胃腸炎をともなう風邪の回復によい食べ物・よくない食べ物

予防だけでなく、胃腸炎をともなう風邪にかかってしまったときも、腸内環境を整える食事が効果的です。整腸作用のある栄養素を摂ることで、早期回復が期待できます。ただし、胃腸が弱まっているときは、消化器官に負担をかける食事は禁物です。吐き気や下痢の症状がある程度収まってきたら、消化のよい食べ物から徐々に再開しましょう。脱水状態が心配なので、食事からも水分が摂れるようにするといいでしょう。冷たいもの、油分の多いもの、固いもの、辛いものなどは、いずれも刺激が強いので避けましょう。

おすすめの食べ物

おかゆ・うどんなど、胃腸にやさしく温かいもの
ご飯は重湯やおかゆなどから始め、徐々に固形にしていきましょう。
豆腐や卵・柔らかく煮込んだ野菜スープなど
噛まなくてもいいぐらいやわらかい具材を、温かいスープでいただくのもおすすめです。野菜は小さく切って消化によい状態にしましょう。湯豆腐などもおすすめです。
果物
バナナやすりおろしたりんご、桃、柿など、柔らかい果物を食べましょう。水溶性食物繊維を摂取すると、腸の働きを整える効果が期待できます。

避けるべき食べ物

油(脂)分の多いもの
脂分の多い肉や青魚などは消化の負担になるので、しっかり回復するまでは控えましょう。
香辛料など
カレーやマーボー豆腐など、香辛料を使った辛い料理はもちろん、調味料としてコショウや唐辛子を振りかけるのも避けるようにしましょう。
固いもの・繊維質の多いもの
タコなど噛み切るのが難しいものや、たけのこ・ごぼう、パイナップルのような繊維質の多い野菜・果物は消化機能の弱った胃腸には厳しい食材です。回復するまでは、噛まなくても口の中でつぶれるものを目安に食べましょう。

まとめ

胃腸にくる風邪の感染源は食べ物だったり、感染者の吐しゃ物からの二次感染だったりと、比較的身近に存在しています。手洗い・うがいはもちろん、食事のバランスを整えることで、風邪や感染症に対する耐性を強めましょう。整腸作用が期待できるヨーグルトなどの発酵食品や、善玉菌の増殖を促す食材をとり入れて、病気に負けない体づくりを目指してください。

参考文献

  1. [1]発酵乳プロバイオティクスの免疫調節機能およびウイルス感染症予防作用(2010) 保井久子 https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/59/3/59_255/_pdf

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