ヨーグルトと健康
2018年04月16日更新 2017年12月25日公開

ヨーグルトの予防効果とは?どんな症状に効果的?

ヨーグルトには乳酸菌などの善玉菌が含まれ、体にいい食べ物として広く知られています。ここでは、乳酸菌が持つ主な効果と、さまざまな症状の予防・緩和効果が期待されている特徴的な乳酸菌、その働きについてお伝えします。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 白須結衣 先生

ヨーグルトは、含まれる乳酸菌やビフィズス菌の効果から健康によい食品として知られています。代表的な効能には整腸作用がありますが、中には感染症の予防など、特徴的な効能を持つ菌もあるとされ、研究が進められています。ここでは、ヨーグルトに含まれる菌が持つ一般的な効能と、ある種の乳酸菌だけが持つ特徴的な効能、代表的な乳酸菌の種類をご紹介します。

ヨーグルトの健康効果を知ろう

腸内には善玉菌と悪玉菌、中間菌がお互いにバランスを取り合って生息していますが、理想的な腸内環境のためには善玉菌が優勢になる必要があります。善玉菌が腸内で活発に働くと、たとえば蠕動運動(ぜんどううんどう:内容物を移動させて排泄につなげる腸の働き)が活発になり、お通じがよくなります。腸内に便が長く滞在すると腐敗産物が発生し、悪玉菌が増殖することで便秘や肌荒れなどのトラブルが誘発されます。よって、スムーズなお通じは腸だけでなく、体全体の調子を整えるのにとても重要と言えます。

また、善玉菌が優勢になると消化吸収もよくなるため、体の新陳代謝も活発になります。さらに、腸は体の免疫細胞のおよそ6~7割が集る場所なので(腸管免疫と呼ばれます)、腸内環境が整うことは免疫力の維持にもつながるとされています。

ヨーグルトには、乳酸菌などの善玉菌が豊富に含まれています。腸によい働きをもたらす善玉菌を補えることから、腸内環境を整えるサポート効果が期待できます。また、ヨーグルトにはカルシウムやタンパク質、ビタミンB群なども含まれているので、栄養補助やダイエットサポートにも効果的と考えられています。

主な乳酸菌と期待できる特徴的な効能

乳酸菌には、整腸作用による一般的な健康効果に加え、種類によっては以下のような特殊な効果を発揮するものもあることが研究によって示唆されています。[1]

  • 花粉症などのアレルギーを予防する効果
  • 風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する効果
  • 感染性胃腸炎や胃潰瘍を予防する効果
  • コレステロールの上昇や高血圧を予防する効果

それでは、このような特徴的な効能を持つとされる主な乳酸菌と、それぞれが持つ働きを簡単にご紹介します。

ガセリ菌

ガセリ菌は2001年に世界で初めて「食べた後、人の腸に生きたまま定着する」ことが証明された乳酸菌でもあります。期待できるもっとも大きな効能には、内臓脂肪を減らす作用があげられます。[2]また、この他にも免疫力を高める、有害菌である黄色ブドウ球菌の感染を予防する、老化の原因となる悪玉クロストリジウムの増殖を抑えるなど、さまざまな効果が研究によって示唆されています。ガセリ菌株のひとつであるLG-21(乳酸菌OLL2716株)には、胃がんや胃潰瘍の原因となるピロリ菌の活動を抑える働きがあることもわかっています。[3]すべての効能において、詳しいメカニズムはまだはっきりと解明されていませんが、活用を目指して研究が進められています。

クレモリス菌

クレモリス菌(クレモリスFC株)は、「カスピ海ヨーグルト」に含まれ、生きて腸まで届くことが明らかにされているプロバイオティクスの一つです。[4]主な健康効果としては、高い整腸作用による腸内環境やお通じの改善、アトピーや花粉症などのアレルギー症状の改善があげられています。[5][6] また、この他にインフルエンザなどのウイルス感染の予防、中性脂肪の低減(あるいは血中脂質の改善)、血糖値の上昇抑制なども、研究により示唆されているそうです。

フェカリス菌

一般的に、乳酸菌は生きたままの菌である生菌の状態で摂るのがよいとされていますが、フェカリス菌はむしろ加熱殺菌処理をした死菌の状態で摂り入れる方が、効果が上がることが報告されています。フェカリス菌も他の乳酸菌と同様、腸内環境を改善する効果が高いことで知られていますが、中でも「エンテロコッカス・フェカリス・FK-23」という株は、免疫力を向上する効果が高いとして有名です。この働きにより、感染症をはじめアレルギーやアトピーなどの予防や改善効果も期待できるとされています。また、コレステロール値を下げる作用や、高血圧を予防する効果も示唆されています。[7][8]

シールド乳酸菌®

森永乳業の登録商標であるシールド乳酸菌®は、ラクトバチルスといわれる乳酸桿菌の仲間です。「生きて腸まで届く」プロバイオティクス効果がある乳酸菌とは違い、さまざまな効果が死菌で確認されています。死菌は、特に免疫力活性に効果があるとされています。具体的にはインフルエンザ感染の症状を軽減させる効果、消化管からの細菌感染を防止する効果などに優れていることが示唆されています。[9]

KW乳酸菌

KW乳酸菌は、キリンと小岩井乳業の共同研究によって発見された乳酸菌で、アレルギーへの効果が高いといわれています。具体的な効果としては、便秘の予防や解消、免疫力の低下抑制、アトピー性皮膚炎の改善、花粉症の予防などが示唆されています。[10]

プラズマ乳酸菌

プラズマ乳酸菌(JCM5805)は、キリン・小岩井乳業・協和発酵バイオが共同研究を行っている乳酸菌であり、一般的な乳酸菌のように生きて大腸で働くのではなく、免疫細胞がある小腸で吸収されて働くという特徴があります。免疫機能の司令塔とも言える樹状細胞を直接活性化させることで、さまざまな免疫細胞を活性化させ、風邪やインフルエンザ様症状のリスクを低減する効果が期待されています。他にも、アンチエイジング効果や、ロタウイルス感染症状の緩和効果などが示唆されています。[11]

まとめ

ヨーグルトには、一般的に整腸作用による便秘の予防・解消効果や、肌荒れの抑制効果などが期待できますが、乳酸菌の種類によっては感染症やアレルギー、胃腸炎の予防効果などが期待できるものもあるといわれ、研究が進められています。100%効果が期待できるものではありませんが、求める効果が期待できる菌が含まれたものを試してみるといいでしょう。また、乳酸菌は人によって合う合わないがあるので、2週間ほど試してみながら、自分の体に合う菌を探してみることをおすすめします。

参考文献

  1. [1]プレバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能 http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1110_01.pdf
  2. [2]ガセリ菌 SP 株による抗肥満作用のメカニズム http://www.meg-snow.com/news/2015/pdf/20150409-1011.pdf
  3. [3]「老化を防ぐ食生活」-ヨーグルトと健康 乳酸菌に秘められた可能性- http://www.osaka-eiyoushikai.or.jp/topics/pdf/topics_133.pdf
  4. [4]「カスピ海ヨーグルト」のクレモリス FC 株がプロバイオティクス乳酸菌であることを証明― 生きて腸まで届いて生理活性を発揮 ― https://www.fujicco.co.jp/cms_news/news/upload/pr_20060323_2.pdf
  5. [5]カスピ海ヨーグルト」の粘り成分が炎症性物質を低減する-菌体外多糖(EPS)がアトピー性皮膚炎モデルへ与える作用を検証- https://www.fujicco.co.jp/cms_news/news/upload/rd_20150824.pdf
  6. [6]研究の概要<クレモリス菌 FC 株 1> http://www.h-food.or.jp/dbadm/media/hf_ResearchSummary_CremorisFC_1.pdf
  7. [7]加熱処理乳酸菌FK-23 ニチニチ製薬株式会社 http://shoudankai2017.shinkinkyokai.or.jp/company/pdf/4r021.pdf
  8. [8]殺菌乳酸菌FK23(フェカリス菌)は? わだまんサイエンス http://www.wadaman-s.com/products/series/doc/densetsu04.pdf
  9. [9]モラック乳酸菌(MCC1849)によるIgA 産生促進作用と感染防御作用 https://www.morinagamilk.co.jp/download/index/11063/1403253.pdf
  10. [10]抗アレルギー効果のある乳酸菌 KW3110 株の発見と活用 http://www.fbi-award.jp/sentan/jusyou/2004/tokubetsu_kirin.pdf
  11. [11]乳酸菌による「免疫賦活」効果 http://www.nyusankin.or.jp/scientific/pdf/Nyusankin_487_a.pdf

今すぐ読みたい

「ヨーグルトと健康」の関連情報

記事カテゴリ

注目情報