便秘・下痢
2018年04月16日更新 2017年12月25日公開

便秘の予防・改善に適正なヨーグルトの摂取量

便秘になるとおなかが苦しいだけでなく、食欲不振や肌荒れの原因にもなる場合があります。そんな煩わしい便秘の予防・改善に効果的とされるヨーグルト。便秘対策に活用する際の効果的な摂取量や食べるタイミングについてお伝えします。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 白須結衣

便秘の予防や改善に効果的といわれるヨーグルトですが、便秘対策に活用する場合は、どのような点に気をつければいいのでしょうか。せっかく対策のひとつとして試してみるのですから、できるだけ高い効果を得たいですよね。摂取量や種類、食べ方のコツなど、便秘対策にヨーグルトを活用する際のポイントについてお伝えします。

便秘によって起こる症状

そもそも、便秘になると何が問題なのでしょうか。常に予防と改善に努めるべく、まずは便秘の症状と併発しやすい症状について知っておきましょう。

便秘とは、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」とされています。具体的には、便が長く腸内にとどまることで水分が吸収されて硬くなり、排便が困難になる状態や、排便回数は普通でも排便時に努力を要する状態(便が硬い、なかなか出ないなど)、排便後に残便感を覚える状態などを言います。

便秘は、大きく2種類に分けられます。

  • 機能性便秘…便がつくられる過程や排便の仕組みに障害がある場合。
  • 器質性便秘…大腸の炎症や手術後の癒着など、腸そのもののトラブルによって通過・排出障害が起こった場合。

このうち、生活習慣や食生活を整えることで予防・改善につながる便秘は機能性のもので、便秘の原因の多くを占めます。

便秘になると、便が長く腸内にとどまることで腐敗産物が発生し、悪玉菌が増殖しやすい環境になることから腸内細菌のバランスが崩れます。すると、腸内環境が悪化し、さらなる便秘を引き起こしやすくなるという悪循環に陥ります。便秘が続くと腸内にガスが溜まっておなかが張ってしまったり、ガスや便が溜まることで食欲がなくなったりします。

また、便秘は肌荒れの原因になることも研究によって示唆されています。これは、悪玉菌の代謝産物であるフェノール類(フェノール、パラクレゾール)が腸管から吸収され、血流にのって肌まで運ばれ、蓄積することで表皮細胞に変調をきたすためと考えられています。[1]また、肌の生まれ変わりの周期(ターンオーバー)が乱れることで、肌荒れが引き起こされる場合もあります。実際に、便秘になると肌の状態が悪くなると感じている人も少なくありません。

まれなケースではありますが、便秘が脳の障害を引き起こす場合もあるとされます。[2]これも、便によって発生した腐敗産物が要因となります。腸管から吸収された腐敗産物は肝臓で分解されるので、通常であればそれほど大きな問題はありません。しかし、肝機能が低下している場合は、分解機能が十分に働かず、まれに脳に障害をきたすことがあるのだそうです。[3]

便秘の予防・改善にヨーグルトが効果的とされる理由

便秘対策のポイントのひとつとなるのが、腸内環境を酸性に保ち、悪玉菌が増殖しにくい環境を作ることです。これに有効に働くのが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌です。乳酸菌やビフィズス菌は、乳糖やブドウ糖などを分解して乳酸などの有機酸を作り、腸内環境を酸性に保つ働きをします。

腸内が酸性になると悪玉菌の増殖が抑制されるだけでなく、大腸への刺激により蠕動運動(ぜんどううんどう:便を移動させて排便につなげる腸の収縮運動)も活発になります。大腸は、1分に2~3回伸縮しながら便を肛門へ送り出しています。この動きが低下してしまうと便が移動しにくくなり、便秘を引き起こしやすくなります。便が腸内にとどまる時間が長いほど悪玉菌も増えやすくなり、腸内環境の悪化から便秘の慢性化につながる場合があります。このような悪循環を防ぐためにも、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が腸内でしっかり働く必要があるのです。

また、乳酸菌などの善玉菌には、便を適度な水分を含んだちょうどいい硬さにする作用もあります。便の大部分は水分でできています。健康的な便の場合は、重量のおよそ80%が水分であるほどです。対して、便秘の原因となる便の水分量は、60~70%まで低下しています。腸に長くとどまるほどその量は少なくなり、排便しにくい便になってしまいます。このように、便を排出しやすい形状にするのにも、善玉菌の力が大きく関わっているのです。

便秘に効果的なヨーグルトの摂取量とタイミング

では、便秘対策としてヨーグルトを活用する場合、効果を得るにはどれぐらい摂取する必要があるのでしょうか。ヨーグルトは、1日100g以上の摂取が推奨されています。これは、100g以上であれば、その効果に大きな差はないことが研究により明らかになっているためです。[4]ちなみに、ヨーグルトはプレーンであっても100gあたり60~70kcalほどあります。食べるほど高い効果が期待できるわけではないので、おなかを壊さないためにも食べすぎには注意しましょう。

次に、食べるタイミングですが、乳酸菌やビフィズス菌の中には胃酸に弱いものも多いので、できるだけ生きたまま腸に届けるためにも、胃酸が弱まった食後に食べることが推奨されています。時間帯についてはさまざまな考え方がありますが、あまり気にせず、自分のライフスタイルに合った時間に食べるといいでしょう。便秘の予防・改善効果を高めたい場合は、いろんな時間帯を試してみて、より効果を実感できるタイミングを探してみてもいいかもしれません。

※ヨーグルトの効果を得やすい時間帯の探し方について、詳しくは『便秘対策にはヨーグルトをいつ食べると効果的?』をご覧ください。

食べる量とタイミングも大切ですが、もっとも重要なのは毎日食べ続けることです。外から補う善玉菌のほとんどは腸内に定着せず、一定の期間をおいて排出されてしまいます。そのため、善玉菌のパワーを保つには、できるだけ続けて摂取してあげる必要があります。習慣的に摂取することを心がけましょう。

※ヨーグルトの効果をより高める食べ方について、詳しくは『ヨーグルトで便秘解消!改善につなげるレシピ3選』をご覧ください。

まとめ

便秘は、消化器官の不調やおなかの不快感だけでなく、放っておくと肌荒れをはじめとしたさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。そのため、常に予防を心がけ、便秘になってしまったらできるだけ早く改善するよう努めましょう。便秘対策には、ヨーグルトに含まれる善玉菌もひとつのサポートとなります。食べる量とタイミングなどを意識し、毎日続けることでくり返す便秘の予防につなげましょう。

ただし、便秘はヨーグルトだけで改善できない場合や、原因によっては効果が得られない場合もあります。悪化やトラブルを防ぐためにも、自分の便秘の原因を知り、それに合った適切な対策を施しましょう。また、ヨーグルトのサポートを得ながら生活習慣や食生活を見直すことで、早い改善を目指しましょう。

参考文献

  1. [1]腸内細菌が皮膚生理に及ぼす影響 http://bifidus-fund.jp/meeting/pdf/15th/sympo2_4.pdf
  2. [2]肝性脳症 http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/HC/hepatic-cirrhosis_3(4).pdf
  3. [3]肝・硬・変!診断と治療(栄養、腹水対策を中心に) http://www.med.osaka-cu.ac.jp/liver/m-db/pdf/20140620-01.pdf
  4. [4]明治ヨーグルトライブラリー 乳酸菌研究最前線 https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/report/

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