便秘・下痢
2018年04月16日更新 2017年12月25日公開

妊婦の便秘にヨーグルトは効果的?改善のポイント

妊娠中は便秘になりやすいことで知られています。便秘の予防・改善に効果的とされるヨーグルトですが、妊娠中の便秘にも有効なのでしょうか。妊婦が便秘になりやすい理由と、ヨーグルトの効果、便秘解消の方法についてお伝えします。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 中川明子 先生

これまで便秘で悩んだことはほとんどなかったのに、妊娠したら便秘しやすくなった…と悩んでいる女性も少なくないはずです。事実、ある調査によると、半数以上の妊産婦さんが妊娠中に便秘を経験したことがあると答えたそうです。症状の重さは人により異なりますが、妊娠中は便秘になりやすいことで知られています。これは、なぜでしょうか。また、便秘対策によく活用されるヨーグルトは、妊娠中の便秘にも効果的なのでしょうか。妊婦が便秘になりやすい理由と、便秘対策としてのヨーグルトの効果、便秘の解消につなげるポイントについてお伝えします。妊娠中は、赤ちゃんの誕生を待ちわびるかけがえのない期間です。便秘という煩わしい症状を緩和・解消し、快適な妊娠ライフを送りましょう。

妊婦の便秘改善にもヨーグルトは効果的?

妊娠中の便秘にも、ヨーグルトは効果的に作用するのでしょうか。妊婦が便秘になりやすい理由から紐解いていきましょう。

妊婦が便秘になりやすい理由

妊娠中に便秘になりやすいのには、大きく2つの原因があると考えられています。
ひとつは、ホルモンの影響です。女性の体内ではエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)がバランスを取り合って分泌されていますが、妊娠するとこのバランスに変化が起き、プロゲステロンの分泌量が多くなります。プロゲステロンには子宮を緩めて妊娠状態を維持する働きがあるのですが、子宮だけでなく胃腸などの消化器官の筋肉も緩めてしまうため、蠕動運動(ぜんどううんどう:腸の収縮により便を移動させ、排便につなげる働き)が弱まって便秘が起こりやすくなります。

もうひとつが、子宮による影響です。胎児が大きくなるにともない子宮が増大していくと、腸が圧迫されます。これにより腸の活動が鈍くなり、便秘につながりやすくなります。

この他、つわりによる食欲不振で食事量が減ることや、嘔吐により水分が失われることでも便秘が引き起こされることがあります。また、妊娠後期には体が重くなることで運動量が減り、これが便秘の原因になることもあります。

食事も便秘の改善ポイントのひとつ

妊娠中の便秘は、多くの場合、腸内環境よりもホルモンや子宮の圧迫による影響が大きいので、食事だけでの解消は難しいです。ただ、つわりによる食事量や水分量の減少、妊娠後期は食事量の増加などが腸内環境に影響し、これが便秘の原因のひとつになっている場合もあります。また、圧迫により鈍った腸の活動を少しでも活発にするためにも、腸内環境を良好に保つことは大切です。そのうえで、食事はひとつの重要な要素となります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸内環境を整えるサポートとして働くので、毎日の食事にヨーグルトをとり入れるのも便秘の緩和や解消につなげる要素になると言えるでしょう。

妊婦の便秘改善に効果的なヨーグルトの種類とは?

では、妊娠中の便秘対策としてヨーグルトを活用する場合、特に効果的なものはあるのでしょうか。選び方のコツについてお伝えいたします。

自分の体に合ったヨーグルト

ヨーグルトにはさまざまな乳酸菌や、中にはビフィズス菌が含まれるものもありますが、どのような種類でもある程度の整腸作用は期待できます。ただ、腸内細菌の構成は人によって異なるので、体に合う菌も人それぞれ違います。高い整腸作用を期待するなら、自分の体に合う(=効果を実感できる)ヨーグルトを選びましょう。同じ種類のヨーグルトを1、2週間食べ続け、様子を見てください。

整腸作用に優れたヨーグルト

自分に合ったヨーグルトを探すといっても、たくさんある中から探し当てるのは大変ですよね。そこで、選ぶ際の参考にしたいのが、整腸作用により優れた菌の種類です。生きて腸まで届く、腸内での生存期間が長いなどが研究により示唆されているものがあるので、まずはそのような菌から試してみるのもいいでしょう。代表的な菌種としては、乳酸菌シロタ株、ビフィズス菌BB536株、ガセリ菌などがあげられます。ヨーグルトのラベルに記載されていることも多いので、意識して見ることをおすすめします。

※整腸作用に優れていることが示唆されている乳酸菌・ビフィズス菌について、詳しくは『便秘に効果的なヨーグルトの種類』をご覧ください。

妊娠中の便秘を改善する5つのポイント

すべての便秘において言えることですが、妊娠中は特に、解消するにはさまざまなアプローチが必要になります。ヨーグルトに頼るだけではなく、生活全般を見直して改善につなげましょう。妊娠中の便秘を予防・改善するために特に意識したい5つのポイントをご紹介します。

バランスのよい食生活

妊娠中は母体の健康と赤ちゃんの発育のために、いつも以上に食生活が大切です。できるだけ主食、主菜、副菜、汁物をそろえて食べましょう。便秘の改善を助ける以下の食材を意識してとり入れると、なおいいでしょう。

野菜・果物・海藻・豆類
食物繊維が便のかさを増して腸の動きを刺激します。不溶性食物繊維のセルロースをはじめ、果物のペクチン、海藻のアルギン酸ナトリウムといった水溶性食物繊維も豊富に含まれます。
漬物・みそ・醤油・キムチ・チーズ・ピクルスなど
発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれます。ヨーグルト同様、腸内環境を整える働きが期待できます。
オリーブオイル
小腸で消化されにくいオレイン酸が高い割合を占める油です。便を柔らかくし、滑りをよくします。

こまめな水分補給

水分が足りないと、便が硬くなり出にくくなってしまいます。特に、つわりがひどいと嘔吐により水分が失われがちです。常温の水をこまめに補給しましょう。炭酸水は胃のムカムカをすっきりさせる効果があるといわれるので、水を飲むのもつらいときは試してみてもいいかもしれません。ただし、糖分を多く含むものはおすすめできません。試す場合は、できるだけ無糖の炭酸水にしましょう。

こまめな水分補給とは別ですが、朝起きたらまずコップ1杯の水を飲むのも、便秘の予防と改善に効果的とされます。水の重みと刺激で腸の運動が促され、便意を感じやすくなるそうです。

規則正しい排便習慣

胃腸の動きは自律神経によって支配されています。自律神経を整えるには、早寝早起きで生活リズムを整えることが大切です。腸内環境が整っていると、朝食後しばらくすると胃腸の動きが活発になり、やがて便意を感じるようになります。そのタイミングを逃さないようにしましょう。また、便意を感じなくても、同じ時間帯に便座に座ることにも意味があります。5分を限度に、便座に座りながら上体を前後左右にひねったり、おなかをマッサージしてみましょう。そうすることで、規則正しい排便習慣につながりやすくなります。

適度な運動

妊娠中、特に妊娠後期はおなかが大きくなるとともに体を動かすのが億劫になり、運動量が減少しがちになります。すると、腹筋が弱まり、蠕動運動が鈍くなって便秘をしやすくなります。また、便意を感じても、腹筋が弱いと便をしっかり押し出せなくなります。適度な運動は、筋肉を維持して腸の働きを活性化するうえで重要なポイントとなります。安産を目指すためにも大切な要素なので、無理のない範囲で適度に体を動かしましょう。

ただし、妊娠中は体調が変化しやすく、安静が必要な場合もあります。また、妊娠週数によっては運動を控えたい時期もあります。定期健診の際など、必ず医師に相談したうえで行ってください。

産婦人科へ相談

がんこな便秘では、多くの場合に薬のサポートが必要になります。ただし、妊娠中は控えた方がよい薬もあるので、必ず医師に相談のうえ処方してもらいましょう。服薬の他、座薬や摘便(病院で指でだしてもらう)という方法もあります。おなかの赤ちゃんの健やかな成長にもつながるので、恥ずかしがらずに相談してください。

まとめ

妊娠中の便秘の原因には、大きくホルモンバランスの影響と子宮による圧迫があります。また、つわりによる水分量の低下や、運動不足による筋力低下も影響する場合があります。以下のポイントを押さえることで、便秘の症状を少しでも緩和させるべく努めましょう。

  • 生活習慣を整えて排便リズムを保つ
  • バランスのよい食事と水分補給で腸内環境を整える
  • 適度な運動で筋力を維持する

腸内環境を整えるうえでは、ヨーグルトも効果的に作用する可能性があります。自分の体に合った菌を探し、便秘解消のサポートとしてください。がんこな便秘の場合は、ためらわずに担当医に相談しましょう。

参考文献

  1. 妊娠中の便秘について/新潟市 医師会 http://www.niigatashi-ishikai.or.jp/citizen/gynecology/gynecology-memo/2001070625.html
  2. 妊産婦の便秘と対処法に関する実態

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