便秘・下痢
2018年06月13日更新 2018年06月05日公開

便秘に効くオリゴ糖とは?腸内細菌を整える効果と方法

近年、「糖質制限ダイエット」などで、「糖質・糖類は太る」と認識されがちですが、糖類でも「オリゴ糖」にはよいイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。オリゴ糖とはどのような糖なのか、腸への働き・安全性・効果的な摂取方法と注意点について解説します。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 中川明子 先生

ブラックアイスコーヒー

健康ブームのおかげで「オリゴ糖」という名前になじみのある方も多いかもしれません。「オリゴ糖はおなかの調子を整える」といわれていますが、どのようなしくみでおなかに働きかけるのか、大人だけでなく赤ちゃんにも有効なのか、わかりやすく解説します。

オリゴ糖とは?おなかでどんな働きをするの?

糖質は、単糖・少糖・多糖に分類されます。単糖とは、もうこれ以上分解されない最小単位の糖類で、ブドウ糖や果糖などが分類されます。少糖とは、単糖が2個から10個つながったものでオリゴ糖ともいわれます。オリゴ糖の「oligo」は、ギリシャ語で「少ない」という意味をもちます。

オリゴ糖は、結合する糖や作られ方によっていくつかの種類があり、代表的なものとしてフラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖などがあります。オリゴ糖は消化酵素で分解されないものが多く、腸の中でビフィズス菌など善玉菌の栄養源になって腸内環境を整えます[1]。

オリゴ糖の整腸効果

ヒトの腸の中には、100種類、100兆個にもおよぶ腸内細菌が生息しています。これらは、大きくわけて、善玉菌・悪玉菌・中間菌の3つのグループに分けられます。

善玉菌は、腸の運動を活発にして腐敗産物の産生を抑え、ビタミンを産生し免疫力を高めるといわれています。一方悪玉菌は、腸内で有害物質をつくり免疫力を下げたり便秘を招いたりします。中間菌は、優勢な方に加勢します。これらの3つのグループの勢力図が腸内環境を決めています。善玉菌が優勢なら、中間菌の加勢も受けて健康的な腸内環境を保つことができるのです。

では、善玉菌優勢の環境をつくるにはどうしたらよいのでしょうか。食事で気をつけるポイントは二つあります。ひとつは、発酵食品などを摂取して直接善玉菌を腸にとり込む方法です。もうひとつは、善玉菌のえさとなるオリゴ糖や食物繊維を摂取する方法です。ヨーグルトや乳酸菌飲料、漬物などを食べて腸内に善玉菌を補充し、さらにオリゴ糖などの栄養源を腸に送り込んで、善玉菌の働きを活性化させると効果的でしょう[2]。

オリゴ糖は赤ちゃんのおなかにもある?

「腸内フローラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。フローラとは、「お花畑」という意味です。腸の中の細菌の様子が、さまざまな植物が群生するお花畑の様子に似ていることから、腸内細菌の様相を「腸内フローラ」と呼ぶようになりました。

2017年4月、東京大学と京都大学の研究グループが「乳児の腸内フローラはビフィズス菌が優勢であり、それを支えているのが母乳由来のオリゴ糖である」という研究結果を発表し、米国の科学誌にも掲載されました[3]。

オリゴ糖を効果的に摂取する方法

これまで見てきたとおり、オリゴ糖には善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。そんなオリゴ糖を日常的に効率よく摂取するには、どのようにしたらよいのでしょうか。

ビフィズス菌の栄養源となるオリゴ糖は、もとになる食品によっていくつかの種類があります。フラクトオリゴ糖は、にんにく・アスパラガス・ネギ・ごぼう・玉ネギ・大豆に多く含まれています。イソマルトオリゴ糖はみそ・しょう油に多く含まれています。大豆オリゴ糖は大豆・みそ・しょう油に多く含まれています。

これらの食品を日常的に食べるほか、オリゴ糖からからつくられた市販の甘味料を利用するのも方法です。オリゴ糖のシロップや顆粒状の甘味料は、砂糖よりカロリーや甘みが低く、砂糖の代わりに使うのも日常的にとり入れやすい方法でしょう。

コーヒーや紅茶など飲み物に入れる砂糖や調理につかう砂糖をオリゴ糖入り甘味料に替えるのはいかがでしょうか。オリゴ糖を、ビフィズス菌や乳酸菌を多く含む発酵食品と一緒に摂ることも効率的と言えます。納豆にしょう油を垂らすことは日常的にされていますが、ヨーグルトにオリゴ糖入り甘味料を加えることは手軽に試せるのではないでしょうか。

オリゴ糖を摂取するときの注意点

オリゴ糖の1日の摂取量の目安は、2~10gです。オリゴ糖を一度に多く摂ると、おなかがゆるくなったり張ったりすることがあります。このような場合は、1回当たりの量を減らして、数日かけて少しずつ量を増やしながら慣らしていくことがおすすめです[2]。

オリゴ糖を1日摂取しただけでは、整腸効果は実感できません。食生活を見直して、オリゴ糖を無理なく継続的に摂取することが重要になります。

まとめ

オリゴ糖は、腸内環境を整え便秘を改善することに有効であることをお伝えしました。オリゴ糖を多く含む食品や、市販されている特定保健用食品を利用して、毎日の食生活に無理なくとり入れることをおすすめします。

腸内環境は日々変化しています。継続的にオリゴ糖を摂ることで、腸内環境が整い、便秘改善の効果が期待できるでしょう。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. "オリゴ糖" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-003.html(参照2018-05-15)
  2. [2]清水 純. "腸内細菌と健康" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html(参照2018-05-15)
  3. [3]片山高嶺他. "母乳栄養児においてビフィズス菌優勢な腸内フローラが形成される仕組みの一端を解明" 京都大学. http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170407_1.html(参照2018-05-11)

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