胃腸炎
2018年06月28日更新 2018年06月29日公開

機能性ディスペプシア(FD)の治療でカギとなる食事療法とは

胃が痛い・もたれるなどの症状が慢性的に続く機能性ディスペプシア(FD)。はっきりとした原因がわかっておらず、生活習慣や食生活の改善がとても重要です。ここではドクター監修のもと、機能性ディスペプシアの食事療法について解説します。

お腹をおさえる女性

数か月にもわたる胃もたれや胃の痛み、満腹感などに悩まされて医療機関を受診すると、「機能性ディスペプシア(FD)」と診断されることがあります。機能性ディスペプシアの治療のひとつに食事療法がありますが、具体的にはどのような点に気をつけるべきか、わかりやすくご紹介します。

機能性ディスペプシア(FD)の治療

機能性ディスペプシアとは、検査をしてもはっきりとした異常が見られないのに、慢性的にみぞおちの痛みや胃もたれなどに悩まされる病気です。治療の目的は、症状を軽減して生活の質(QOL)を改善することにあり、病院では主に以下のような治療が行われます[1]。

  • 生活習慣指導:食事療法やストレスの軽減
  • 薬物療法:消化管運動機能改善薬や胃酸分泌抑制薬、抗不安薬、漢方薬など
  • 心療内科的治療:認知行動療法や催眠療法

このなかでも食事療法は、健康的な毎日を続けるうえで欠かすことのできないものです。日ごろから自発的に改善意識をもって取り組むことで、他の治療にもよい効果をもたらすと考えられます。今回は、そんな食事療法のポイントについて詳しく解説していきます。

機能性ディスペプシア(FD)の食事療法とは

胃に負担をかけないような食べ物や食べ方を心がけ、必要以上に胃酸の分泌を増やさないことが大切です。おすすめの食事や避けたい食事、食べ方のポイントなどについて見ていきましょう。

どんな食べ物・食事をとるべき?

油分・脂肪分の多い食事、甘い食べ物、唐辛子など胃腸を刺激する食べ物は、胃酸の過剰分泌を引き起こして機能性ディスペプシアの症状を悪化させることがわかっています[2]。このような食事は避け、胃腸への負担の少ない食事、消化のよい食事を心がけましょう。

ごはんや白パン、 そうめんなどの消化のよいやわらかい主食や、脂身の少ない白身魚や卵・豆腐、繊維のやわらかい野菜(大根・ニンジンなどの根菜、白菜、ほうれん草、イモ類)などを選んで、煮る・蒸す・茹でるなどして食べやすく調理しましょう[3]。おみそ汁やスープ、おかゆなどのやわらかい食事でも、野菜をたくさん入れるとよく噛んで食べることができ、満足感が得られます。

機能性ディスペプシアは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によって引き起こされることもあります。心配がある場合は、一度ピロリ菌の有無を調べる検査をおすすめします。

食生活のポイント

暴飲暴食や不規則な時間帯に食べることも、胃の負担につながります。1日の食事回数、1回あたりの食事量や食事に要する時間を見直し、以下のようなポイントにも気をつけましょう。

食事をとる時間を固定する
毎日の食事はできるだけ決まった時間にとるよう心がけ、それ以外の時間帯に間食をしたり、だらだらと食べ続けることはやめましょう。特に夜遅い時間帯や、寝る直前の飲食は胃に負担をかけるので控えましょう。
よく噛んで、ゆっくりと食べる
十分に咀嚼することで食べ物が消化されやすくなり、胃への負担がやわらぎます。
腹八分目を心がける
大食いや早食い、暴飲暴食は胃を疲れさせ、胃酸の過剰分泌にもつながりますのでやめるようにしましょう。
食後は休憩をとる
食後すぐに身体を動かすと、胃腸の働きに悪影響を与えます。30分ほど休憩をとり、安静に過ごしましょう。
アルコールや喫煙に注意
アルコールは胃酸の分泌を増やします。また、喫煙は胃の血流量を減らし、消化を妨げます。できるだけ飲酒を控え、禁煙を心がけましょう。

まとめ|生活習慣の改善も大切

機能性ディスペプシアに悩まされている人は、日ごろから睡眠不足やストレスによって生活習慣が乱れていることがあります。今回ご紹介した食生活の見直しとともに、睡眠を十分にとり、適度な運動や趣味を楽しんでストレスを解消するなどして、症状の改善につなげていきましょう。

機能性ディスペプシアの治療においては、医師や医療スタッフと良好な関係を築き、信頼を深めることで、よりよい治療効果が得られるとの報告もあります[2]。機能性ディスペプシアの治療に多くの実績を持つ専門医や、なんでも相談しやすい医師などを選び、リラックスして治療に臨みましょう。

参考文献

  1. [1]医療情報科学研究所編. 病気がみえる vol.1 消化器. 第5版. メディックメディア 2016; 90-93
  2. [2]日本消化器病学会. "機能性消化管疾患診療ガイドライン2014 機能性ディスペプシア(FD)" 日本消化器病学会ガイドライン. https://www.jsge.or.jp/guideline/guideline/pdf/FDGL2_re.pdf#page=67(参照2018-05-09)
  3. [3]国立がん研究センター東病院 栄養管理室. "食欲不振がある方のお食事" 国立がん研究センター. https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/nutrition_management/info/seminar/recipe/recipe205.pdf(参照2018-05-09)

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