胃腸炎
2018年06月28日更新 2018年06月29日公開

逆流性食道炎(GERD)や胸焼けがあるときの食事・食べ物

胃酸が逆流することで、胸焼けや呑酸(どんさん)を引き起こす逆流性食道炎(GERD)という病気があります。毎日の食事や生活面では、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。ドクター監修のもとに解説します。

喉

食事のたびに胸焼けを感じたり、すっぱい胃酸がこみ上げてくるような不快感(呑酸:どんさん)を覚える人は少なくありません。こうした症状は「逆流性食道炎(GERD)」と呼ばれており、特に食中・食後や夜間、前かがみの姿勢をとったときなどに起こりやすくなります。

逆流性食道炎(GERD)があるときは、食事においてどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。日常生活のポイントとあわせてわかりやすく解説します。

逆流性食道炎(GERD)とは?症状と原因

胃酸や食べたものなど、胃の内容物がさまざまな原因によって食道に逆流するようになると、胃酸によって食道の粘膜がただれて食道炎を引き起こします。また、炎症までには至らなくても、たびたび胸焼けや胸の痛み、口の中まですっぱいものがこみ上げてくる呑酸(どんさん)を感じるようになります。

こうした症状は「逆流性食道炎」、もしくは炎症のある・なしにかかわらず「胃食道逆流症」と呼ばれ、医師の間ではGERD(Gastro-Esophageal Reflux Disease:ガード)という短い呼び方もされています[1]。

食道と胃のつなぎ目には、「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん:LES)」といわれる筋肉があり、胃酸の逆流を防ぐ働きをしています。しかし、暴飲暴食などの乱れた食習慣や、薬の影響、加齢などによって括約筋の働きが弱まると、胃の内容物が逆流することがあります。

また、肥満や妊娠、便秘などでおなかに圧力がかかりすぎることでも逆流が起こりやすくなります。

逆流性食道炎(GERD)のときの食事のポイント

逆流性食道炎(GERD)になると、ほとんどの人が食事のたびに胸焼けなどのつらい症状を感じるようになり、食事を楽しめなくなってしまいます。このため、毎日の食生活では以下の点を見直すことが大切です。

胸焼けを起こしやすい食べ物・飲み物を避ける

私たちが普段食べている食品のなかには、下部食道括約筋の弛緩を引き起こしやすいものや、もともと食道の粘膜を刺激しやすい性質のものがあります[1]。調理方法においても、揚げるよりも、煮たり、蒸したり、茹でる方がおすすめです。

逆流性食道炎のときは、以下のような食べ物・飲み物の摂取に気をつけましょう。

  • 脂っこい食べ物や揚げ物(てんぷら、とんかつなど)
  • 炭水化物(パンやイモ類など)
  • 甘い食べ物(ケーキやチョコレート、餡を使った和菓子など)
  • すっぱい食べ物や飲み物(梅干や酢のもの、トマト、柑橘系の果物やジュースなど)
  • 炭酸飲料
  • コーヒーやアルコール飲料

逆流性食道炎の症状には個人差もありますので、ここにあげた食べ物・飲み物をすべて制限する必要はありません。過去に食べたり飲んだりしたときに胸焼けや不快感を覚えたものだけ避けるなど、個人の状態にあわせて柔軟に対応しましょう。

毎日の食習慣における注意点

食べ方を見直すことも大切です。大食いや早食い、暴飲暴食は避け、腹八分目を心がけましょう。少しの量で満腹感が得られるよう、よく噛んでゆっくりと食べる、大皿料理ではなくあらかじめ1人分を取り分ける習慣をつける、テレビを見ながらだらだら食べない、スナック菓子などの買い置きはしない・・・などの工夫をとり入れてみてください。

炭酸飲料をたくさん飲んだり、食べ物をよく噛まずに空気と一緒に飲み込むなどして胃がふくらむと、胃の中の空気を外に逃すためにゲップが出やすくなります。このとき下部食道括約筋の弛緩とともに胃酸の逆流も起こりやすくなりますので、ゲップがたくさん出るような飲み方・食べ方にも気をつけましょう。

また、食後すぐに横になると、胃の内容物が逆流しやすくなります。なるべく胃のなかに物が入っていない状態で寝るようにしましょう。深夜、寝る前になにか食べたくなる人は、肥満を防ぐためにも1日3食をきちんと食べる習慣をつけましょう。

日常生活における注意点

毎日の生活では、以下のことに気をつけてください。

おなかを圧迫しないよう心がける

おなかに力を入れたり、おなかの圧迫を強める姿勢を続けていると、胃の内容物の逆流を誘発することがあります。日常生活で以下のような動作をする場合には、休憩をとる、姿勢を変えるなどして長時間同じ姿勢をとらないように気をつけましょう。

  • 庭仕事や床掃除など、前かがみの姿勢
  • 重たいものを持ち上げるなど、おなかに力が入る動作
  • おなかから大きな声を出すような歌や演説
  • 腹部をきつく締めつける服装、ベルトやコルセットなどの装着

なお、肥満により内臓脂肪が増えると、胃袋が圧迫されて逆流が起こりやすくなります[1]。規則正しい食生活や適度な運動をとり入れ、減量につとめることも大切です。

逆流を防ぐ寝姿勢を保つ

下部食道括約筋の機能が弱っているときは、食べてすぐ寝ないのはもちろんのこと、夜間に寝るときの姿勢にも気をつけましょう。胃袋が食道よりも下になるように上半身を高く保ったり、左側を下にして横になるとよいでしょう。

朝方に胸焼けがひどくなる人は、起きたときに水をコップ1杯飲み、寝ている間に逆流した胃液を洗い流すと楽になることがあります[2]。

アルコールやタバコを控える

日ごろから喫煙量や飲酒量の多い人については、禁煙やアルコール制限が症状改善に役立ったという報告もあります[1]。できるだけ控えるようにしましょう。

まとめ|長引く場合はきちんと治療を

胃の内容物が食道に逆流して、食道の炎症や胸焼け・呑酸を引き起こす逆流性食道炎(GERD)について、食生活におけるポイントを中心に対処法をご紹介しました。

逆流性食道炎(GERD)は食生活の見直しなどにより自然によくなることもありますが、症状を放置しているといつまでも食事が楽しめなかったり、夜ぐっすり眠れないなど、生活の質(QOL)が損なわれることがあります。症状がいつまでも改善せずに生活に影響するようであれば、消化器内科などの専門医に相談し、きちんと治療を受けるようにしましょう。

参考文献

  1. [1]日本消化病学会. "患者さんと家族のための胃食道逆流症(GERD)" 日本消化器病学会. https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/pdf/01_gerd.pdf(参照2018-05-09)
  2. [2]慶應義塾大学病院 消化器内科. "胃食道逆流症(GERD)" 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPAS. http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000231.html(参照2018-05-09)

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