女性に多い悩み
2018年06月15日更新 2018年06月05日公開

貧血の予防や改善に効果的な食べ物・飲み物と食事のポイント

疲労感や立ちくらみなど人によってさまざまな症状が現れる貧血ですが、まずは貧血の基本について、その後貧血の予防・改善に必要な鉄分を効率よく摂るためのポイント、またそれらが含まれる食材について紹介していきます。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 古賀 圭美 先生

鉄分豊富なレバー

日本人女性の約10人に1人が貧血といわれるほど身近な「貧血」。私だけじゃないから大丈夫と思っていませんか?放っておくと恐い貧血。実は病気のサインだったなんてこともあるのです。今回は、普段の食事を見直すことで簡単に予防・改善のできるポイントをわかりやすくご紹介します。

貧血とは?

血液中の赤血球または血色素(ヘモグロビン)の量が正常よりも少ない状態を貧血と言います。具体的にはヘモグロビン濃度が男性で13g/dl以下、女性で12 g/dl以下であると貧血と診断されます[1][2]。

貧血になるとあらわれる症状

貧血になると、疲労感やめまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛、顔面蒼白、耳鳴り、爪が薄く反り返る(スプーン爪)、手足の冷えなどさまざまな症状が現れますが、貧血状態がゆるやかに進行していると、こうした症状に気づかないこともあるので注意が必要です[1]。

貧血の種類

貧血には大きく分けて4つの種類があります[1]。それぞれの貧血の特徴についてみていきましょう。

鉄欠乏性貧血
体内の鉄が不足することにより、十分な量のヘモグロビンが作られなくなって起こる貧血です。その原因としては、鉄摂取量の不足、成長期や妊娠・授乳期などによる鉄需要の増加、月経過多や病気による過剰な鉄損失、体内への鉄吸収障害などがあげられます。貧血の中ではもっとも多い貧血で、全体の60〜80%を占めています。
再生不良性貧血
血液を作る骨髄の働きが低下するために起こる貧血です。
悪性貧血(巨赤芽球貧血)
赤血球が作られるときに必要なビタミンB12と葉酸が不足し、赤血球が減少するために起こる貧血です。それぞれビタミンB12欠乏性、葉酸欠乏症と呼ばれています。
溶血性貧血
赤血球が寿命よりも早く壊れて、ヘモグロビンが流出することによって起こる貧血です。赤血球が壊れる原因には色々ありますが、マラソン選手や長距離歩行などのスポーツ選手にもみられます。

鉄欠乏性貧血のときの食事のポイント

鉄欠乏性貧血は食事とのかかわりが大きく、食事内容を見直すことで貧血症状の改善も期待できます[1][3]。4つのポイントを押さえて貧血の改善につとめましょう。

1日3食をきちんと食べる

貧血の有無にかかわらず、1日3食バランスよく食べることが食事の基本ですが、貧血を予防・改善するためにも同様の食事を心がけましょう。食事を抜いたり、食べる量を少なくしたり、特定の食べ物に偏るなどといった食事を続けると、鉄の摂取量自体が減ってしまうので、貧血の原因にもなってしまいます。

鉄分が豊富な食品を摂る

鉄分は色々な食材に含まれていますが、肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄は吸収率が高く、野菜などの植物性食品に多い非ヘム鉄はヘム鉄と比べると吸収率があまりよくありません。貧血の予防・改善を目的にするのであれば、吸収率の高いヘム鉄を意識して摂り入れるとよいですね。また、一度にたくさん食べても身体の中に貯めておくことはできないので、毎食ごとにしっかりと摂る習慣をつけましょう。

ビタミン類を組み合わせて摂る

体内で鉄を効率よく吸収するには、ビタミンCを一緒に摂るのがおすすめです。ヘム鉄に比べて吸収率の低い非ヘム鉄も、ビタミンCと組み合わせることで吸収率を高めることができます。また、ビタミンB12や葉酸も正常な赤血球を作るのに使われるため、意識して摂るとよいでしょう。

ビタミンCはレモンやキウイフルーツなどの酸味を感じる果物、ブロッコリー、パプリカ、かぼちゃなどに多く含まれています。ビタミンB12は牛レバー、豚レバー、魚介類、貝類、卵黄、チーズなどに、葉酸は牛レバー、豚レバー、枝豆、納豆、ほうれん草などに多く含まれています。

タンニンを含む食事や飲み物は控える

緑茶、コーヒー、紅茶などに含まれているタンニンは鉄の吸収を妨げることで知られています。食事中や食後すぐに飲むことは控え、食間に飲むようにしましょう。

貧血予防に効果的な食べ物・飲み物

ここまで貧血というものがどういったものなのか、貧血を予防・改善するための食事についてみてきましたが、実際に1日あたりどのくらいの鉄を取ればいいのかをご存知ですか?

日本人が1日に必要な鉄分の摂取量は、男性で7.5mg、月経のある女性で11.0mg、月経のない女性では6.5mgが推奨されています[4]。

食材に含まれる鉄量も合わせてご紹介しますので、食事作りの参考にしてくださいね。

ヘム鉄を効率よく取れる食べ物

吸収率の高いヘム鉄。以下のような食材に多く含まれています[1]。

  • 豚レバー串焼き(1本、30g) 3.9mg
  • 鶏レバー串焼き(1本、30g) 2.7mg
  • 牛もも肉薄切り(1枚、50g) 1.1mg
  • 豚もも肉薄切り(2枚、50g) 0.5mg
  • まぐろ(1切れ、70g) 1.4mg
  • かつお(1切れ、70g) 1.3mg
  • あさり(10個、30g) 1.1mg

レバーはご家庭で調理するのが大変という場合は、焼き鳥になっているものや缶詰を利用すると手軽に食べることができます。また、あさりはみそ汁だけでなく、水煮になっているものを煮物や炊き込みご飯として利用するのもおすすめです。

非ヘム鉄を効率よく取れる食べ物

非ヘム鉄は以下のような食材に多く含まれています[1]。

  • 生揚げ(1/2枚、90g) 2.3mg
  • 納豆(1パック、50g) 1.7mg
  • 鶏卵(Mサイズ1個、50g) 0.9mg
  • 乾燥ひじき(戻して小鉢1皿分、5g) 2.8mg
  • 小松菜(1/3束、80g) 2.2mg
  • ほうれん草(1/3束、80g) 1.6mg

さきほどもお話しした通りヘム鉄に比べて吸収率の低い非ヘム鉄も、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。ビタミンCを多く含む野菜と調理するのもよいですが、仕上げにレモン汁をかけるだけでも吸収率をアップさせることができるのでおすすめです。

鉄分を手軽に取れる飲み物

料理だけでなく、飲み物からも手軽に鉄分を摂取したという方には、プルーンジュースやアサイードリンク、ほうれん草を使ったスムージー、マテ茶などもおすすめです。また、スーパーやコンビニなどでは鉄分を強化した飲み物なども販売されているので、表示を見ながら利用してみるのもよいでしょう。

サプリメントも上手に活用を

ここまでは食べ物や飲み物での鉄分摂取についてご紹介してきましたが、食事からの貧血改善には時間がかかります。病院などでもすみやかな貧血改善のためには鉄剤などが処方されるほどです。また、1日3食きちんと摂っていても加工食品やインスタント食品を食べる機会が多かったり、外食をする頻度が高かったりする方は鉄の摂取量が少なくなる可能性があるので、サプリメントを活用し、鉄の摂取量を上げることもおすすめします。ただし使用する場合は過剰摂取にならないよう、使用条件を守って利用しましょう[5]。

まとめ

貧血の中でもっとも多い鉄欠乏性貧血は、食事内容を見直すことで予防・改善が可能な貧血です。1日3食、バランスのよい食事を揃えることで、ヘム鉄、非ヘム鉄、ビタミンCなどの栄養素も自然と組み合わせることができます。鉄強化のドリンクなども組み合わせ、無理のない貧血予防・改善の食生活を送りましょう。

参考文献

  1. [1]東京都病院経営本部経営企画部総務課. "食事療法のすすめ方 貧血の食事" 東京都病院経営本部. http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/hinketsu.html(参照2018-05-08)
  2. [2]日本臨床検査医学会. "臨床検査のガイドライン JSLM2015 36.貧血" 日本臨床検査医学会. https://www.jslm.org/books/guideline/36.pdf(参照2018-05-08)
  3. [3]国立がん研究センター東病院 栄養管理室. "『貧血がある方のお食事』" 国立研究開発法人 国立がん研究センター. https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/nutrition_management/info/seminar/recipe/recipe194.pdf(参照2018-05-08)
  4. [4]荒井 裕介. "貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html(参照2018-05-08)
  5. [5]南東北病院 健康倶楽部. "『かくれ鉄不足』を防ぐ食事" 総合南東北病院. http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/200511/tetubusoku.htm(参照2018-05-08)

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